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私の版画技法 その3


芸大大学院在学中、お茶の水にある写真専門学校のデッサン講師をしていた頃、

一人の学生に出会った。叔父さんがジャパン・タイムスの宣伝部にいるので、

活版を入手出来るという。

喜んで新聞社の地下室に出向いた。

そこで私は驚くべき光景を目にした。

輝く昆虫郡を見た思いだった。

続く


高柳






私の版画技法 その2


今日では幻となってしまったが、その昔「活版」というものがあった。

ジンク版に写真製版を施して、新聞社は広告のページに多用していた。

約1mm厚のジンク版の、大小様々、バラバラの広告はその日の新聞に刷られた後、捨てられる。

そして黒インクまみれの金属広告の山ができる。

続く


高柳






私の版画技法 その1


版画についてのブログを書くつもりで、だいぶ横道にそれてしまった。

「一版多色刷り」はイギリス人のウィリアム・ヘイターが考案した油(OIL)の濃度を変えてローラーで色を重ねて刷る方法である。
私はヘイターの研究所に一年間籍を置いたことがある。

ヘイターに会いに行く前に、実は昨年亡くなった深澤幸雄氏に何年もこの方法について学んだのである。いや直接ではなく、技法書で、ボロボロになるまで研究した。
後に深澤さんにこのことを話すと、とても喜んでおられた。

私の版は一版とは限らない。初期においては40~50エレメントがあり、それぞれにこの刷りを施すものであるから多版多色刷り、いやただ多色刷り、ヘイター刷りと言った方が良さそうだ。
終局にさしかかり、こんな初歩的なことを考えブログに書こうとは、だいぶやきがまわったらしい。


高柳








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版画家高柳とエクレア

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