年賀状


毎年恒例の年賀状のことである。最近あまり力が入らないのは私だけではない

だろう。知人の間でも、年賀状やーめた!という人が多い。私もやめたいと思うが、

賀状をもらってしまうとなんだか返事を書かなくては、と思うのが人情。

人情はともかく、こんな気持ちになるのは世の中が悪い、いや、世の中の仕組みが

変わってしまったからである。

若い人達は年賀状はまず書かない。メールとかいうもので済ましてしまうらしい。

文面も”あけおめ”である。


さて、世の中を憂いていても仕方がない。なんとなれば私は版画家である。

年賀状も版画のジャンルである。いや、版画そのものなのだ。と思い直し、

今年もまた作ってしまった。


高柳







睡眠時間


数年前から不眠症が続いている。夜トイレに起きる回数も増えている。

2時間位眠ると起きる、を数回繰り返している。

ある日ついに病院(睡眠外来)に行き、空気を送られるマスクをつけて

寝ることになった。毎晩である。

ところがオランダ製というマスクの形が私には合わず、空気がもれる。

気になってますます眠れない。で、やめた。


ある日ふと考えた。あのナポレオンは一日3時間しか眠ってなかったという。

私の2時間×2~3回の睡眠を考えれば十分といえる。気が楽になった。

後に知ったのだが、ナポレオンは馬上でいねむりの名人だった・・とか?


高柳









現代の鏡の国


最近知人がどんどん亡くなる。他人事ではないのだが、そうはいっても人は

地球上で何秒かに一人、いや毎秒のように亡くなっているらしいし、その人が

みな知人ではないだけである。

そんな事を書くと薄情なようで申し訳ないのだが、地球上の生物は皆、同じ事の

繰り返しである。

人は目の前の「少しの変化」を見逃すくせがある・・・というより見えない。

時間がたつと、おや?と思うように出来ているようである。


では何故人は生きようと、いや生き続けられるのか?

ーその謎の答えは鏡である。

鏡を見れば、写っている「自分」が確認できる。顔のシワ、白髪、目のたるみ、

これらはみな鏡の中の自分と判断する。

しかし一たん鏡を離れると、人は他人の眼差しや言葉を通してでしか自分を

判断出来ないのである。

つまり、自分の死に近づく姿などどこ吹く風で、飲んだり、食ったり、笑ったり

活動できる。言いかえれば、自分を見失っているのだ。

時間がたっぷりあるものだから、反省するのは鏡に写った偽の自分からだけである。

人は生まれてから死ぬまで、永久に本当の自分の姿を見ることは出来ないように

うまく造られているのである。

特に私なぞ、すっかり忘れて生きているようで申し訳ない。


最後にもう一度言えば、人は本物の自分を見ることが決してない。

だから生きていかれるのである。

ーと云いながら、暮れなずむ鏡の中に自分らしき姿を見た。


ああ、鏡よ鏡!



高柳







ペンシル


最近出まわっている、消せるボールペンというのがある。

しょっちゅう書き間違っている私には便利である。

ところが、公式なものには使えない。

何故だか理由は分からないが、多分消して書き直せるからだと思う。


そこでふと思い出したのが版画のサインである。

どういうわけか、世界中の版画家は全部と言えるほど鉛筆でサインをしている。

逆に消せるのに何故?と思う人も多いが、まぁ、しきたりと言えばそれまでである。

以前、アメリカの有名画家がボールペンでサインをしているのを見たことがあるが

チョット驚いた。でも私など、書き直すことがある人はやっぱりエンピツでしょう。


ペンシルだべーニア(ペンシルべーニア)と洒落てみた。

ペンシルベンリヤ(ペンシル便利や)もある。


高柳








魂の叫び


死んでも負けないぞ!

子供のケンかで昔よく聞いた言葉だ。

考えてみれば死んだら勝負は分からないのだが、叫んだ子供からは「死」ではなく

むしろ突き上げるような強い意志というか、「生」が感じられる。

「生と死」は昔から両極のギリギリで使われる言葉で、これは「魂の叫び」とも

いえる。


魂といえば、古代ギリシャ語では「プシュケー」といい、元の意味は「蝶」のこと

である。蝶々が魂とは面白いのだが、ヒラヒラしていて魂も薄っぺらな紙のような

感じがしないでもない。


そういえばフランス語でも蝶はパピヨン、揚羽蝶はパピリオ、紙のことはパピエ、

紙の元はパピルス、みなヒラヒラしている。

なんだか魂がヒラヒラと舞っているように思えてくる。



高柳








プロフィール

版画家高柳とエクレア

Author:版画家高柳とエクレア
高柳裕の制作日記と最新情報をお届けします。

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