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高柳裕と若手版画家たち展 2018

ギャラリー渓2018

2018ギャラリー渓裏 (3)


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抱き枕

我が家に突然、抱き枕が送られてきた。
抱き枕だから等身大に近いわけで、思わずワーッと声が出てしまった。
色は薄いベージュ、ハンスアルプの抽象作品を布で作ったような曲線、いかにも抱きやすそうである。

これは私の敬愛する二人の教え子からのプレゼント。
妻に笑われながら、リハーサルで絨毯の上で寝転んで試してみた。
抱きかかえてみるとなかなか良く出来ていて、カーブや柔らかさが快適である。

ここで私の病名をカミングアウトする。
無呼吸性なんとか、と言う。つまり睡眠障害なのだ。
以前はマスクをつけて空気を送る機器をつけていたが、自分に合わないのでキャンセルした。
代わりに抱き枕が良いと聞き、会う人ごとに話していた結果なのだ。

その晩は、あれこれ試しながらも良く眠れたような気がする。
二人には感謝。
涙、涙で、うれしい泣き枕。


高柳






ブログを書くときは・・

ブログを毎週のように書いているのだが、自分でうまく書けたと思うことは
たまにはあるが、ほとんどが未完成、文章としてどうかと思うことが多い。

人に聞くと、ブログだからいいんじゃないかと答えが返ってくる。
しかしブログでも、文学者も見るかもしれないし、言語学者だって・・・
そう考えると、しまった、と思う。が、時すでに遅し、後の祭りだ。

そこで気を引き締め、格調高く正しい文章で書こうと意を決したのだ。

決めたからには文体を選び、「何を言うか」を考え、文脈に注意し、リズムを大切に、
起承転結を振り返り、さらにユーモアを交え、落としどころを決め、
でも全体として爽やかさを失わず・・
おっと!知的レベルをやや高めに保ちながら書こう。
と思ったが、くたびれた。


高柳








青梅市立美術館「祝喜寿 高柳裕展」2017.11.18~2018.1.14

青梅ブログ用

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先生力

先生はえらい!なんでも知っている。
特に専門的な知識はまことに豊富である。
分からないことは、質問してもちゃんと答えてくれる。
だから先生はすごい。

と、これは立派な先生の話。そして学問的な先生の話。
最近では先生はいっぱいいる。どこもかしこも先生である。
先生ではない人まで時に先生と呼ばれたりする。
だから区別が必要である。
学校の先生、絵の先生、体育の先生、音楽の先生、医者の先生、料理の先生・・・
きりがない。

でも先生だって悩みはあるに違いない。
先生だって先生が欲しいに決まっている。でもそれはあまり言えない。
格が下がってしまうと思ったりする。人に与える力が劣って見える。
つまり「先生力」の低下である。
低下は困るので、どこかで踏みとどまらなくてはならない。
だから胸を張る、顎を引く、そこで見かけは保てる。
気を取り直し、勉強しなければ、と思ったりするに違いない。気弱になるに違いない。
先生も可哀想に思えてくる。

あぁ、先生力はどこへ行く。


高柳







ギャラリートーク

美術館では「ギャラリートーク」をよくやる。
作家が自作の前で喋るのである。

絵の前で絵の説明をしても、と思うが、ギャラリー(観客)は作家と作品をセットで
見たいのかもしれない。

作家は、「この絵はこういう気持ちで描いた」とか「こういう苦労をした」とか
喋るわけだが、それだけでは物足りないので、少しサービスをする。
この時、ユーモアが大切である。
「こんなえらい先生が、こんな冗談を仰って!」とか「なんと身近に感じられる先生
ですこと!」と思わせる。これが狙いである。

しかし冗談ばかりだとお笑い芸人と変わらないので、切り替えて哲学的に
引き込まなくてはいけない。
「なるほど」と感じさせなくてはならない。
質問には分かりやすく、丁寧に、笑いをかぶせながらうまく答える。

というわけで、ギャラリートークはなかなか大変なのである。
この後、作家は疲労と自責の念に囚われ、画廊トークは疲労トークに変わる。


高柳







青梅市立美術館開催中の「高柳裕展」にて その2


少し前に書いたが、初日に一番で二人の見知らぬ女性が来てくださった。

この二人もそれはそれは熱心に観ていて、私の絵にビックリ、

「こんな作品に出会ったことはない。きょうは特別な思いで感動した。」と話してくれた。

40年以上前の作品とはいえ、誉められるともちろん嬉しいのだが、私の作品が

時を経てなお若者に新鮮に感じられるのは何なのだろう、ということ。

私の手法とデザイン感覚が特殊だということなのかもしれない。

「見る」ことと「見られる」ことを考えさせられた。


高柳





青梅市立美術館開催中の「高柳裕展」にて

17,8才くらいだろうか、二人の男女がやってきた。

仲むつまじく、私の作品の前でそれはそれは熱心に見ている。

広い会場なのでよくは分からないが、時々二人で笑顔で楽しそうにしている。

第一室が終わると第二室へ、そこでもくい入るように見ている。

やがて見終わって帰るかと思いきや、またもどって見ている。

やがて二人は一人一人になり、勝手に見ている。

一室~二室へ、二室~一室へと飛ぶように見に行く。

私は恋人同士なのかと、ほほえましく眺めていた。


長時間の後、帰りがけに思わず声をかけてしまった。

「よく見てくれてありがとう。どうでしたか?」二人はそろって答えた。

「チョーカッコイイ!」

よくみると二人とも男の子だった。



高柳