目から鱗
最近北斎ブームである。
オランダの美術館で見つかった北斎の西洋画風の絵には、最初本当かと疑ったほどであった。
よく考えてみれば、北斎だってゴッホやセザンヌと同じように、未知の画風に憧れたって不思議ではない。
西洋の遠近法を学び取った後で描いたのが、波間の富士~富嶽三十六景神奈川沖浪裏~でうなずける。
「波」にこだわって多くの波を描いた北斎は、レオナルド・ダ・ヴィンチによく似たところがあると思った。
レオナルドは「波」を科学・物理的に追求し、北斎は「波」の性格に迫りながら、見事にデザイン化した。
レオナルドが深くどこまでも探求する姿を足し算(+)とするなら、北斎のそれは引き算(ー)だ。
余計なものをそぎ落とし、見事に本質だけをデザイン化した北斎は、超デザイナーともいえる。
北斎はますます凄い!
高柳