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ギャラリートーク

美術館では「ギャラリートーク」をよくやる。
作家が自作の前で喋るのである。

絵の前で絵の説明をしても、と思うが、ギャラリー(観客)は作家と作品をセットで
見たいのかもしれない。

作家は、「この絵はこういう気持ちで描いた」とか「こういう苦労をした」とか
喋るわけだが、それだけでは物足りないので、少しサービスをする。
この時、ユーモアが大切である。
「こんなえらい先生が、こんな冗談を仰って!」とか「なんと身近に感じられる先生
ですこと!」と思わせる。これが狙いである。

しかし冗談ばかりだとお笑い芸人と変わらないので、切り替えて哲学的に
引き込まなくてはいけない。
「なるほど」と感じさせなくてはならない。
質問には分かりやすく、丁寧に、笑いをかぶせながらうまく答える。

というわけで、ギャラリートークはなかなか大変なのである。
この後、作家は疲労と自責の念に囚われ、画廊トークは疲労トークに変わる。


高柳







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版画家高柳とエクレア

Author:版画家高柳とエクレア
高柳裕の制作日記と最新情報をお届けします。

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