抱き枕
我が家に突然、抱き枕が送られてきた。
抱き枕だから等身大に近いわけで、思わずワーッと声が出てしまった。
色は薄いベージュ、ハンスアルプの抽象作品を布で作ったような曲線、いかにも抱きやすそうである。
これは私の敬愛する二人の教え子からのプレゼント。
妻に笑われながら、リハーサルで絨毯の上で寝転んで試してみた。
抱きかかえてみるとなかなか良く出来ていて、カーブや柔らかさが快適である。
ここで私の病名をカミングアウトする。
無呼吸性なんとか、と言う。つまり睡眠障害なのだ。
以前はマスクをつけて空気を送る機器をつけていたが、自分に合わないのでキャンセルした。
代わりに抱き枕が良いと聞き、会う人ごとに話していた結果なのだ。
その晩は、あれこれ試しながらも良く眠れたような気がする。
二人には感謝。
涙、涙で、うれしい泣き枕。
高柳