アリスの遊び場(東大病院 No.1)

友人の医者が紹介状を書いてくれるというので、東大病院の足の先生に診てもらうことになった。

東京大学は私にとって懐かしい所である。
というのは、70年ほど前は東大の中は病院を除いては敗戦後の跡が色濃く残り、窓ガラスは粉々で壁と鉄枠だけの研究室など、子供の、いや私の遊び場として絶好の場所だったのである。
内部には鉱石の標本が無造作に捨てられていたり、壊れた人体骨の模型がにらんでいたり、水晶のような方解石や黄銅鉱、黄鉄鉱はまるで金の鉱石のようにキラキラ輝いていた。
廃墟の中は、不思議の国であった。

私の家は塀一つ乗り越えれば東大の中という所にあり、そこは悪ガキ、自由に出入りしていた。
現在は全てが変化し、記憶の中のあの場所や三四郎池は今でも鮮明に記憶に残っている。

続く


高柳







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