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シンちゃんと私

今回のブログの文が長くなり、短文を得意としていた私としては、誰も読んでくれないと思い気が引ける。

最近、リハビリを兼ねて海岸の砂の上を歩く。
約300mを行ったり来たり、ヨレヨレ4往復。
人はまばら、犬の散歩がちらほら。

「ワン!」耳元で突然吠えられた。
見ると、体長3~40㎝位のスージー種小型犬。
防波堤は大きく段になっているため、犬の位置は私の耳元となる。(子犬は下に飛び降りられない)
「シンちゃんだめよ~」と飼い主であろうか、猫なで声、いや犬なで声が響く。

さて、犬と私の関係は長い歴史がある。 
自宅でも犬を飼っていたことがあるくらいで、犬嫌いではない。が、他人の犬は怖い。
跳びかかられたり、噛みつかれたり、追いかけられたり、反撃したり、様々なアクシデントが思い出される。
時には野犬がいたり、そんな時は命がけで石ころを両手に握りしめ、走る。赤目の野犬は獰猛である。若い頃から、このことでトラウマになっているようだ。

さて、この日「シンちゃん」と目が合った。これがいけない。
夫婦らしき人に連れられているシンちゃん。砂浜におろされると、早速私の足元にすっ飛んできた。リードなし。
「シンちゃんだめよー」また声が聞こえる。
私は思わず体を固くするしかない。
「だめよー」の意味が分からない。噛みついたらだめよーなのか、そばに行ったらだめよーなのか、その人は遊んでくれる人ではないからだめよーなのか、瞬時の理解はしがたい。
あまりに子犬なのと、飼い主が見ているので蹴とばすわけにもいかず、笑顔で取り繕うしかないのである。

しかし、シンちゃんはあきらめない。私も自分の都合があるので知らんぷりして歩き出してみた。
それ以上追って来ないと分かると安心して、ヨレヨレ歩く。
しかし、4回往復するので、その間すれ違う。また、私目がけてまっしぐら。
私の方も学習しているので「シンちゃんまたね」などと飼い主に向かって叫ぶ。
「すみません、遊んでほしいんですよ」と飼い主。私はまた言う「すっかり気に入られちゃって」
少しは本当かもしれないが、本人の本当の気持ちを理解している人がいたら噴き出してしまうだろう。

これが一週間、二週間、また同じような時間に会う。
シンちゃんもすっかりタイミングを覚え、チョッとじゃれついて、あとは知らんぷり。
また目が合うとジャレついて知らんぷり。私もすっかり安心して、ヨレヨレ、ヨレ、ヨレ。

先日、またシンちゃんに会った。たしかにシンちゃんだ。
しかし、すっかり忘れられたらしく、ワンでもなかった。


高柳










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