ワラカラ
ブログのテーマで悩んでいる。いや悩んではいないが、チョット困っている。
泉のごとく湧き上がってこないのだ。
泉と言えば「水」。水は今日ではコンビニで売っているが、半世紀前では
水を買うなどということは考えられないことであった。
50年以上前になるが、芸大の学生だった頃黒人の留学生が教室に見学に来て
100号の油絵を見て「ワラカラ!」と叫んだ。仲間は皆ポカンとしている。
彼はなおも絵を指さして「ワラカラ、ワラカラ!」と叫んでいる。
勇気ある仲間の一人は「What color」のことだと思い、ブラックとかグリンブラック
とか答えたが、ワラカラは止まらない。その時は皆笑いでごまかし、その場をしのいだ。
時は過ぎ、数年後アメリカから来た留学生に日本の街を案内していた時、
彼は「笑・笑」の看板を指して、あれは何だ?と私に尋ねた。
「ワラワラ」と言うんだよ、と私は答えた。
それはアメリカでは「水、水」と言うんだ、と留学生。
私はその瞬間、あの時を思い出した。
そうか、あの時の黒人留学生の「ワラカラ」は、
「これはWater color(水彩絵の具)ですか?」と尋ねたのだ!
私達は、笑笑と笑った。
高柳